台湾旅行(14) 2日目 ~宜蘭から梨山へ路線バスの旅~
今日はいよいよ梨山に向けて出発します。
梨山は台湾中部の山岳地帯に位置し、台湾随一の高級烏龍茶葉の産地として有名です。日本では阿里山や凍頂山が有名ですが、梨山の烏龍茶は生産量が非常に少なく、希少価値が高いため、あまり市場に出回ることがなく、むしろ知名度としては今ひとつというところもありますが、100g 10,000円なんて言うのもザラにある超高級烏龍茶の産地なのです。
住所としては台中市になりますが、ただそこまでのアクセスはかなり不便で方法は3つ。1つは台中北側にある豊原からのルート。バス路線としてもかなり長距離で約170km、所要時間はなんと6時間!! しかもマイクロバス…。2つ目は台湾東部の花蓮から名勝タロコ峡谷を抜けるルート。距離は約140km、約5時間。そして今回向かうのは台湾北東部の宜蘭からのルート。約120km、約4時間。宜蘭からのルートを除きバスは1日1往復。1日で梨山を経て反対側へ抜けるには豊原~梨山~花蓮のパターンしか無く、あとはすべて梨山で1泊する他ありません。よって今回は宜蘭から入り梨山で一泊したあと、台中側に抜けることにしました。
出発まで台北の朝市散策
本来であれば梅雨まっただ中の台北。しかし今年は晴天が続いているようで、気温もここ数日かなり高温になっているようです。今日も早朝からカンカン照りの猛暑…とは言え宜蘭に向かう列車の時間まで少しあるので、ホテル周辺を散策します。
まずは中山路を台北駅方向に南下して10分ほど、雙連の朝市へ。台湾と言えば夜市が有名ですが、それはそれで楽しいですけど、庶民の生活の様子がダイレクトに伝わってくる朝市も意外とおすすめ。あまりその場で買って食べ歩くようなものはありませんが、珍しい野菜や果物、魚介類が並んでいて、スーパーマーケットが当たり前のように普及してしまった今では、昔ながらの台湾の様子を味わえる貴重な場所です。
サンルートのある民権西路からは地下鉄で1駅ですが、歩いてもすぐです。
ちょうど地下鉄のトンネルの上に沿うようにお店が並んでいます。食材から衣料品、雑貨までなんでもありです。
腹ごしらえのため、地下鉄駅のすぐ脇にある「世紀豆漿大王」へ。朝市の横にはおいしい朝食屋さんがあります。
まずは朝食の定番豆乳。ほのかに甘くて、とにかく量が多いのが台湾。でもやや薄めで重たいわけではないので、結構飲めてしまいます。そしてセットに肉まん。これで35元。肉まんも台湾らしくやや甘めの味付けですがジューシーで、なにより生地がおいしい!!
賑わう朝市を通りぬけ、続いて民権路から中山路を少し北上したところにある福利麺包へ。なんかラーメン屋さんみたいな名前ですが、麺包とはパンのこと。中国語で「麺」は小麦粉、でそれを「包」んだので麺包。まだ朝早いですが、パン屋さんは多くのお客さんで賑わっています。
観光客には定番のパイナップルケーキでも有名なお店ですが、色とりどりのパンも見ていて飽きません。見かけだけでなく味や食感も満足です。
とくにこの胡麻が練り込んであるパンが美味しかった~。
台北から宜蘭へ特急列車で
ホテルをチェックアウトし、10時30分発の特急列車で宜蘭に向かいます。
台北駅は週末ともなると構内の広場にはたくさんの東南アジア系の人たちが集まり、地面に座り込んで食事を拡げてピクニック状態になります。香港みたいですね。
まずは日本でネット予約・決済していた列車のチケットを受け取ります。窓口でも受け取れますが週末は非常に混雑しているので、自動券売機がおすすめです。以前は外国人だと身分証番号がうまく入力できずにエラーとなってしまうこともありましたが、今回はなんの問題もなくチケットが出てきました。
週末の特急列車はかなり混雑します。特に土曜午前の下り、日曜午後の上りは当日購入はまず無理(自強号の座席なしなら大丈夫ですが…)なので、ネット予約・決済が必須です。今回予約しておいた花蓮・台東行きの普悠瑪号は特に予約困難で、2週間前の予約開始と同時にトライしても満席…。それから数日、時間さえあればネットをチェックして、運良くキャンセルが出たか残席が開放された時にゲット出来ました。
駅1階の台鉄グッズショップを覗いたら、これから乗る普悠瑪号のNゲージモデルがあったので購入。1,620元とたった1両なのに目玉の飛び出る高さですが、日本と違い鉄道模型のマーケットが小さく、数も出ないので致し方なしというところでしょうか? でもクオリティは値段相応で非常に高く満足いくもの。
ショップ横のお弁当ブースで駅弁も購入。台湾を訪れるたびにお弁当の種類も増えていきます。ただ基本暖かいものしか食べない台湾では、やはりどれも似通った感じになってしまうのは残念なところ。今回は鴨肉と定番の排骨飯をチョイス。
明日訪れる予定の清境農場OPENちゃんが、旅の始まりを演出してくれます。
地下のホームに下りいよいよ普悠瑪号とご対面。
登場からもう何年も経ちますが、台鉄のフラッグシップとしての貫禄を感じます。最初は変なデザイン…と思いましたが、見慣れてくると台湾らしくていいのかなと。
車内はこんな感じ。満席でも立席利用が許されていないので、車内は比較的落ち着いています。
座席も広々していて快適です。が、日本製ということもあって異国感や旅情感はあまり無し…やはり年季の入った旧型車両がいい。
宜蘭までは1時間少々。鉄道は北側を大きく迂回していきますが、ほぼ直線で山岳地帯を貫く雪山トンネルが出来て以降、料金時間とも高速バスが優位の区間です。九份の最寄り駅、瑞芳を通過ししばらくすると左手には太平洋の雄大な景色が拡がります。
宜蘭に到着。駅舎は当地出身の絵本作家、ジミー・リャオの世界観に装飾されています。
梨山行きのバスは12時40分発。駅前も通りますが、ここから駅を背に左手へ徒歩10分程の場所にあるバスターミナルが始発とのことで、散歩がてら歩いていきます。
こういう風景が台湾らしい時間の流れを感じさせますね。
途中4日前にオープンしたばかりという「幸福転運站」に立ち寄りました。ここもまたジミー・リャオにちなんだ施設で、動物の滑り台やアスレチックぽいものなど、小さな子が遊べる施設になっていて、なんとも癒されるスポットです。暑ささえなければ…
梨山へバス旅の始まり
大きな踏切を渡るとまもなくバスターミナルが見えてきます。台北行きの高速バスが頻繁に発着する他、宜蘭郊外へのバスが発着しています。梨山行きは3番乗り場から。国光客運という主に長距離高速バスを運営している元国営バス会社ですが、このような地方では路線バスも運行しています。まさにJRバスみたいな存在ですね。
ターミナル内にはコンビニもあるので、長時間のバス旅に備え飲食料の調達もここで。
乗り場には梨山行きに乗ると思しき観光客や地元の人達が集まり始めます。ところが時間を3分、5分と過ぎてもバスがやってこない…10分ほど過ぎてようやく現れたバスがこちら。すでにお客さんが乗っていたのと、このあと駅前を通過していったので、もしかしたらバスターミナルが始発なのではなく、駅前から来たのかもしれません。
比較的大型のバスなのですが、座席数が少なく、かつ4席ほどが山間部へ運ぶ荷物で占められているため、
20人ちょっとで満席に…。自分は悠遊カード を使用したのでチケット売り場には立ち寄らなかったのですが、後ろから乗ってきた人が乗車券を確認しながら座席を探していて、えっっ!!指定席なの?! とびっくり。だけど指定された座席もどうやら荷物に占領されているみたいで車内は少々混乱気味。結局なんとかみんな座席に収まりましたが、ほぼ満席の状態になりました。
さて、ここから4時間ほどのバス旅が始まります。バスは蘭陽平野を西に進み、まもなく広大な蘭陽渓に沿います。行程の半分は比較的直線のなだらかな勾配の道路で、快調に飛ばしていきます。徐々に左右から切り立った山々が迫ってきますが、蘭陽渓の河床面積は広大で、道路沿いには河床農地が拡がります。この光景がとにかく圧巻。河の奥の奥まで見渡すかぎり拡がるスイカ畑。台湾にこんな景色があるとは思いませんでした。
出発してから2時間ほど、南山という集落の新南山商号という商店前で休憩を取ります。飲み物やちょっとした食料も調達できます。店頭で蒸かしていた饅頭が美味しかった~。
直線距離で言えばすでに2/3ほど進んでいますが、時間で言えばちょうど中間。この先の道の険しさが想像できます。
想像通り、ここを出発すると急に道が険しくなってきます。バスはエンジンを唸らせながら右に左にカーブをクリアしていきます。ガードレールはおろか道そのものが崩れてしまっているところもザラ…。ひとたび大雨が降ればこのあたりは通行止めとなり、場合によっては集落が孤立してしまうなど、厳しい自然環境であることを感じます。
霧の中を抜け、微かに青空が見えてきました。
途中一旦道を外れ、武陵農場というレジャー施設にも立ち寄ります。
武陵農場を出るとぐんぐんと高度を上げ、次第に視界も開けてくるようになります。そして茶畑も徐々に姿を見せ始めました。
梨山茶の看板がちらほら見え始めるとまもなく終点の梨山。運転士さんおつかれさまでした。
バス乗り場は今日泊まる梨山賓館の目の前。もう時間はすでに17時前ですが、テントの下には名産のリンゴや梨のドライフルーツを売るおばちゃんたちが店を広げています。
テントの下では地元特産のリンゴや梨、水蜜桃のドライフルーツを売っていました。中国語では高麗菜と呼ばれるキャベツを乾燥させたものも。これはカップラーメンのかやくみたい…
とりあえずホテルにチェックイン。やたらと日本語のうまいスタッフの方が館内や周辺の説明をしてくれます。
「日本語うまいですね~」って言ったら「スイマセン…日本人なんです…」と。失礼いたしました。まさかこんな山奥のホテルで日本人スタッフがいるとは思わんですよ。
ホテルの建物はよく言えば豪華絢爛。でもこの大自然には不釣り合いなこてこての中華様式。なんでも蒋介石ゆかりのホテルらしく、どうりで台北の圓山飯店にそっくりなわけだ。大地震後にはしばらく閉鎖されていたようですが、部屋は綺麗にリノベーションされていてとても快適。
備え付けのお茶はもちろん梨山茶。ここで天仁茗茶とかだったらがっかりですよね…ティーバッグとはいえ香り高く、ほんのりと甘い美味しいお茶でした。
まだ明るいので周辺を散策すると、いくつかお茶の焙煎やパッキングをしている工場も。しばらく建物の前に立ってお茶の香りを深呼吸(笑)
ただ、周囲にお茶の販売を全面に出したおみやげ屋などはなく、直売もしてそうなところもあるにはありましたが、時間が遅かったのと、やはり高級品・希少品過ぎて、観光客に売るよりも台北に卸した方が儲かるんでしょう、結局一軒だけあったスーパーとホテルの売店で購入しました。きっと中には他産地とのブレンドや偽装品も相当出まわっているんでしょうね。ちなみにホテルで購入した茶葉は75g入りで1,000元でした。
周囲にはレストランなんてものもないので、当然夕食はホテルの中でいただきます。まぁ味は普通ですが、こんな山奥でいただけるのですから我慢しましょう…
梨山は台湾中部の山岳地帯に位置し、台湾随一の高級烏龍茶葉の産地として有名です。日本では阿里山や凍頂山が有名ですが、梨山の烏龍茶は生産量が非常に少なく、希少価値が高いため、あまり市場に出回ることがなく、むしろ知名度としては今ひとつというところもありますが、100g 10,000円なんて言うのもザラにある超高級烏龍茶の産地なのです。
住所としては台中市になりますが、ただそこまでのアクセスはかなり不便で方法は3つ。1つは台中北側にある豊原からのルート。バス路線としてもかなり長距離で約170km、所要時間はなんと6時間!! しかもマイクロバス…。2つ目は台湾東部の花蓮から名勝タロコ峡谷を抜けるルート。距離は約140km、約5時間。そして今回向かうのは台湾北東部の宜蘭からのルート。約120km、約4時間。宜蘭からのルートを除きバスは1日1往復。1日で梨山を経て反対側へ抜けるには豊原~梨山~花蓮のパターンしか無く、あとはすべて梨山で1泊する他ありません。よって今回は宜蘭から入り梨山で一泊したあと、台中側に抜けることにしました。
出発まで台北の朝市散策
本来であれば梅雨まっただ中の台北。しかし今年は晴天が続いているようで、気温もここ数日かなり高温になっているようです。今日も早朝からカンカン照りの猛暑…とは言え宜蘭に向かう列車の時間まで少しあるので、ホテル周辺を散策します。
まずは中山路を台北駅方向に南下して10分ほど、雙連の朝市へ。台湾と言えば夜市が有名ですが、それはそれで楽しいですけど、庶民の生活の様子がダイレクトに伝わってくる朝市も意外とおすすめ。あまりその場で買って食べ歩くようなものはありませんが、珍しい野菜や果物、魚介類が並んでいて、スーパーマーケットが当たり前のように普及してしまった今では、昔ながらの台湾の様子を味わえる貴重な場所です。
サンルートのある民権西路からは地下鉄で1駅ですが、歩いてもすぐです。
ちょうど地下鉄のトンネルの上に沿うようにお店が並んでいます。食材から衣料品、雑貨までなんでもありです。
腹ごしらえのため、地下鉄駅のすぐ脇にある「世紀豆漿大王」へ。朝市の横にはおいしい朝食屋さんがあります。
まずは朝食の定番豆乳。ほのかに甘くて、とにかく量が多いのが台湾。でもやや薄めで重たいわけではないので、結構飲めてしまいます。そしてセットに肉まん。これで35元。肉まんも台湾らしくやや甘めの味付けですがジューシーで、なにより生地がおいしい!!
賑わう朝市を通りぬけ、続いて民権路から中山路を少し北上したところにある福利麺包へ。なんかラーメン屋さんみたいな名前ですが、麺包とはパンのこと。中国語で「麺」は小麦粉、でそれを「包」んだので麺包。まだ朝早いですが、パン屋さんは多くのお客さんで賑わっています。
観光客には定番のパイナップルケーキでも有名なお店ですが、色とりどりのパンも見ていて飽きません。見かけだけでなく味や食感も満足です。
とくにこの胡麻が練り込んであるパンが美味しかった~。
台北から宜蘭へ特急列車で
ホテルをチェックアウトし、10時30分発の特急列車で宜蘭に向かいます。
台北駅は週末ともなると構内の広場にはたくさんの東南アジア系の人たちが集まり、地面に座り込んで食事を拡げてピクニック状態になります。香港みたいですね。
まずは日本でネット予約・決済していた列車のチケットを受け取ります。窓口でも受け取れますが週末は非常に混雑しているので、自動券売機がおすすめです。以前は外国人だと身分証番号がうまく入力できずにエラーとなってしまうこともありましたが、今回はなんの問題もなくチケットが出てきました。
週末の特急列車はかなり混雑します。特に土曜午前の下り、日曜午後の上りは当日購入はまず無理(自強号の座席なしなら大丈夫ですが…)なので、ネット予約・決済が必須です。今回予約しておいた花蓮・台東行きの普悠瑪号は特に予約困難で、2週間前の予約開始と同時にトライしても満席…。それから数日、時間さえあればネットをチェックして、運良くキャンセルが出たか残席が開放された時にゲット出来ました。
駅1階の台鉄グッズショップを覗いたら、これから乗る普悠瑪号のNゲージモデルがあったので購入。1,620元とたった1両なのに目玉の飛び出る高さですが、日本と違い鉄道模型のマーケットが小さく、数も出ないので致し方なしというところでしょうか? でもクオリティは値段相応で非常に高く満足いくもの。
ショップ横のお弁当ブースで駅弁も購入。台湾を訪れるたびにお弁当の種類も増えていきます。ただ基本暖かいものしか食べない台湾では、やはりどれも似通った感じになってしまうのは残念なところ。今回は鴨肉と定番の排骨飯をチョイス。
明日訪れる予定の清境農場OPENちゃんが、旅の始まりを演出してくれます。
地下のホームに下りいよいよ普悠瑪号とご対面。
登場からもう何年も経ちますが、台鉄のフラッグシップとしての貫禄を感じます。最初は変なデザイン…と思いましたが、見慣れてくると台湾らしくていいのかなと。
車内はこんな感じ。満席でも立席利用が許されていないので、車内は比較的落ち着いています。
座席も広々していて快適です。が、日本製ということもあって異国感や旅情感はあまり無し…やはり年季の入った旧型車両がいい。
宜蘭までは1時間少々。鉄道は北側を大きく迂回していきますが、ほぼ直線で山岳地帯を貫く雪山トンネルが出来て以降、料金時間とも高速バスが優位の区間です。九份の最寄り駅、瑞芳を通過ししばらくすると左手には太平洋の雄大な景色が拡がります。
宜蘭に到着。駅舎は当地出身の絵本作家、ジミー・リャオの世界観に装飾されています。
梨山行きのバスは12時40分発。駅前も通りますが、ここから駅を背に左手へ徒歩10分程の場所にあるバスターミナルが始発とのことで、散歩がてら歩いていきます。
こういう風景が台湾らしい時間の流れを感じさせますね。
途中4日前にオープンしたばかりという「幸福転運站」に立ち寄りました。ここもまたジミー・リャオにちなんだ施設で、動物の滑り台やアスレチックぽいものなど、小さな子が遊べる施設になっていて、なんとも癒されるスポットです。暑ささえなければ…
梨山へバス旅の始まり
大きな踏切を渡るとまもなくバスターミナルが見えてきます。台北行きの高速バスが頻繁に発着する他、宜蘭郊外へのバスが発着しています。梨山行きは3番乗り場から。国光客運という主に長距離高速バスを運営している元国営バス会社ですが、このような地方では路線バスも運行しています。まさにJRバスみたいな存在ですね。
ターミナル内にはコンビニもあるので、長時間のバス旅に備え飲食料の調達もここで。
乗り場には梨山行きに乗ると思しき観光客や地元の人達が集まり始めます。ところが時間を3分、5分と過ぎてもバスがやってこない…10分ほど過ぎてようやく現れたバスがこちら。すでにお客さんが乗っていたのと、このあと駅前を通過していったので、もしかしたらバスターミナルが始発なのではなく、駅前から来たのかもしれません。
比較的大型のバスなのですが、座席数が少なく、かつ4席ほどが山間部へ運ぶ荷物で占められているため、
20人ちょっとで満席に…。自分は悠遊カード を使用したのでチケット売り場には立ち寄らなかったのですが、後ろから乗ってきた人が乗車券を確認しながら座席を探していて、えっっ!!指定席なの?! とびっくり。だけど指定された座席もどうやら荷物に占領されているみたいで車内は少々混乱気味。結局なんとかみんな座席に収まりましたが、ほぼ満席の状態になりました。
さて、ここから4時間ほどのバス旅が始まります。バスは蘭陽平野を西に進み、まもなく広大な蘭陽渓に沿います。行程の半分は比較的直線のなだらかな勾配の道路で、快調に飛ばしていきます。徐々に左右から切り立った山々が迫ってきますが、蘭陽渓の河床面積は広大で、道路沿いには河床農地が拡がります。この光景がとにかく圧巻。河の奥の奥まで見渡すかぎり拡がるスイカ畑。台湾にこんな景色があるとは思いませんでした。
出発してから2時間ほど、南山という集落の新南山商号という商店前で休憩を取ります。飲み物やちょっとした食料も調達できます。店頭で蒸かしていた饅頭が美味しかった~。
直線距離で言えばすでに2/3ほど進んでいますが、時間で言えばちょうど中間。この先の道の険しさが想像できます。
想像通り、ここを出発すると急に道が険しくなってきます。バスはエンジンを唸らせながら右に左にカーブをクリアしていきます。ガードレールはおろか道そのものが崩れてしまっているところもザラ…。ひとたび大雨が降ればこのあたりは通行止めとなり、場合によっては集落が孤立してしまうなど、厳しい自然環境であることを感じます。
霧の中を抜け、微かに青空が見えてきました。
途中一旦道を外れ、武陵農場というレジャー施設にも立ち寄ります。
武陵農場を出るとぐんぐんと高度を上げ、次第に視界も開けてくるようになります。そして茶畑も徐々に姿を見せ始めました。
梨山茶の看板がちらほら見え始めるとまもなく終点の梨山。運転士さんおつかれさまでした。
バス乗り場は今日泊まる梨山賓館の目の前。もう時間はすでに17時前ですが、テントの下には名産のリンゴや梨のドライフルーツを売るおばちゃんたちが店を広げています。
テントの下では地元特産のリンゴや梨、水蜜桃のドライフルーツを売っていました。中国語では高麗菜と呼ばれるキャベツを乾燥させたものも。これはカップラーメンのかやくみたい…
とりあえずホテルにチェックイン。やたらと日本語のうまいスタッフの方が館内や周辺の説明をしてくれます。
「日本語うまいですね~」って言ったら「スイマセン…日本人なんです…」と。失礼いたしました。まさかこんな山奥のホテルで日本人スタッフがいるとは思わんですよ。
ホテルの建物はよく言えば豪華絢爛。でもこの大自然には不釣り合いなこてこての中華様式。なんでも蒋介石ゆかりのホテルらしく、どうりで台北の圓山飯店にそっくりなわけだ。大地震後にはしばらく閉鎖されていたようですが、部屋は綺麗にリノベーションされていてとても快適。
備え付けのお茶はもちろん梨山茶。ここで天仁茗茶とかだったらがっかりですよね…ティーバッグとはいえ香り高く、ほんのりと甘い美味しいお茶でした。
まだ明るいので周辺を散策すると、いくつかお茶の焙煎やパッキングをしている工場も。しばらく建物の前に立ってお茶の香りを深呼吸(笑)
ただ、周囲にお茶の販売を全面に出したおみやげ屋などはなく、直売もしてそうなところもあるにはありましたが、時間が遅かったのと、やはり高級品・希少品過ぎて、観光客に売るよりも台北に卸した方が儲かるんでしょう、結局一軒だけあったスーパーとホテルの売店で購入しました。きっと中には他産地とのブレンドや偽装品も相当出まわっているんでしょうね。ちなみにホテルで購入した茶葉は75g入りで1,000元でした。
周囲にはレストランなんてものもないので、当然夕食はホテルの中でいただきます。まぁ味は普通ですが、こんな山奥でいただけるのですから我慢しましょう…
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タグ:梨山
台湾人です。最近梨山に観光に行きたいです、まさかこんな素晴らしい旅行記を見つかったとは思わなかった!台湾の景色で楽しまれるのなによりです!五年前けどねw
by うらまる (2021-12-10 06:01)