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台湾旅行(14) 3日目 ~梨山から鹿港へ~

幸福バスで梨山を下山

早朝目を覚ましベランダに出てみると素晴らしい雲海が広がっていました。下界と違い空気もひんやりと冷たく、清々しい朝です。

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朝食を済ませて目の前のバス停へ。今日は8時発の豊原客運で下山します。バスは台中の北に位置する豊原行き。本来であれば直線的に台中方面へ通じる道路があるのですが、災害で長らく通行止めになっていて、このバスも南へ大きく迂回し南投県埔里を経由して運行しています。乗り通せばなんと6時間!! しかもマイクロバス!! この路線は幸福バスと呼ばれていて、運転士さんもほぼ固定されていることから、地元の人とのふれあいを描いたドキュメンタリーがYoutubeでも見ることができます。


出発前の幸福バス。犬が乗客を出迎えています。

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同時間帯には宜蘭行きのバスも出発を待っていて、昨日乗ってきた運転士さんが折り返していきます。私たちのことを覚えていてくれたようで、物好きな日本人夫婦を笑顔で見送ってくれました。一方豊原客運のバスの運転士さんは、王さんというまさにYoutubeで見た番組で取り上げられていた張本人。ホント毎日同じ路線を担当されているんですね。感服。

梨山を出発したバスは集落の中でお客さんを拾っていき、ほぼ満席の状態。最後部には混雑時に補助椅子となるであろうプラスチック製のスツールが重ねてあります。

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これが路線図。気が遠くなります。

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バスは一路山を下り…と言いたいところですが、実は一旦ここからさらに高度を上げていきます。梨山自体も標高2,500mとかなりの高所ですが、台中側へ抜けるためには合歓山という3,000m級の山を越えていかなければなりません。

道はますます険しくなり、至るところで崩壊しています。

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花蓮との分岐点になる大禹嶺を過ぎると木々もほとんどなくなり、合歡山管理站で5分程の小休止。

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クルマで訪れることのできる台湾最高地点、3,275mの武嶺を過ぎるとここからは一気に下り坂。動きの軽快なマイクロバスなので、カーブや加減速の勢いが強く妻もやや酔い気味。

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天気もよくところどころ渋滞にはまりながら梨山から2時間半ほどで清境農場へ到着。バスの行程としてはまだ半分にもなってませんがここで下車。清境農場は退役軍人団体が運営する観光牧場で、羊が戯れる台湾らしからぬ牧歌的な雰囲気のスポットです。

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濃厚な羊ミルクも。妻は美味しくなさそうでしたが…

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ただ、山間の急峻な場所にあるため、牧場と言っても広大な草原が広がっているわけではなく、かなりの勾配の途中に施設が点在しており、まぁ下界の暑さを避けてここも凄い人混みですが、正直外国人観光客がわざわざ来るような場所ではありません…ではなぜここで下車したかと言うと、この近くのセブンイレブンに清境農場限定OPENちゃんグッズがあるという、まぁどうでもいい理由です。

こんな山奥にまでセブンイレブン。恐るべし台湾…

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そして、OPENちゃんグッズコーナー。

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そして、これがお目当ての清境農場限定OPENちゃんぬいぐるみ。

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もはや誰?
そしてあまり売れていないのか、どのぬいぐるみも袋の中に小さな虫が…

こちらはハローキティとのコラボグッズ。

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農場からセブンイレブンが予想以上に遠く、急いで買い物を済ませバス停に戻ります。
梨山からのバスは1日一本ですが、このあたりからは麓の埔里まで1~2時間おきにバスが走っています。バス停で待っていると次から次へとタクシーの運ちゃんが声をかけてきます。こんな山奥までタクシーが客引きに来るとは…朝下でお客さんを載せてきたのでしょうか? 最初は無視していたのですが、時間を過ぎてもなかなかバスがやってこないのと、まぁ料金だけでもと聞いてみると台中まで2人で700元とのこと。それってバスより安いじゃん…多少不安に思いながらもメモに書いて確認し、タクシーのお世話になることに。本来はバスで埔里まで行き、乗り換えて高鐵台中駅を目指すつもりだったため、料金もさることながら時間の節約がかなりできます。タクシーは途中霧社で混乗のお客さんを探しますが、結局乗ってくる人はおらず貸し切り。一時間半ほどで台中に到着してしまいました。

ここからは今日の宿泊地、鹿港を目指します。台中駅は高鐵の駅に隣接して在来線の新烏日駅があり、以前は随分と殺風景でしたが、今は鉄道グッズを扱うお店や、子供向けの遊び場もできて賑やかになっていました。

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台鉄のNゲージ模型も編成セットで売っています。普悠瑪の8両セットは8,500元…高い…。

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ここから10分ほど区間車に乗って彰化へ。日本設計台湾製造の新車が大分増えました。

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彰化扇形機関庫を満喫

彰化は台中の南隣の街。観光地としてはあまりクローズアップされませんが、今夜宿泊する鹿港への乗り換え地になります。そして最近有名になってきたのが台湾に唯一残る扇形機関庫。日本では京都の梅小路、今の京都鉄道博物館が有名ですが、日本統治時代1922年に建設された機関庫が今でも現役でしかもそれが一般公開されているということで話題になっています。

彰化駅の行李室に荷物を預け、駅を背に左へ7~8分、地下道をくぐって線路の反対側へ出ると扇形機関庫の入口があります。平日は月曜を除く13:00-16:00、土日は10:00-16:00まで無料で開放されています。

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敷地内は家族連れや鉄道ファンがたくさん。機関庫自体の大きさはさほどではありませんが、12列の放射状に拡がった線路には日本製の蒸気機関車やディーゼル機関車が収まっていて、堂々とした佇まいです。ここの凄いところは現役で稼働している機関庫を自由に見学できること。ロープや鎖で立入禁止区域が張り巡らされているわけでもなく(もちろん機関庫以外の場所は立入禁止です)本当に自由。日本では考えられない台湾の緩さに感服です。一方で自由ということは逆に一人ひとりに責任が注意義務があるということ。警備員さんはいますが、怪我の無いよう利用者同士が慎重に見学する必要があります。

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もう16時の閉館も近くなっていましたが、ちょうど仕事を終えたディーゼル機関車が車庫に戻ってきました。
転車台に載り一列だけですが回ってくれました。

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脇には展望台もあり、機関庫や本線を行く列車を見下ろすこともできます。

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大満足の機関庫見学を終え、帰りは駅の後ろ側を歩いていきます。途中旧型客車を再利用した物置? がありました。脇の建物は新しいので、もしかしたらカフェとかに改装するのでしょうか?

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彰化後車駅。バイクがエライことになってます。

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跨線橋を渡って正面へ。旧型の客車や特急列車が留置されています。中南部はまだこういう風景が残っているんですね。

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今日はここからバスに乗り鹿港を目指しますが、ここで少し腹ごしらえ。彰化の小吃として有名な「猫鼠麺」のお店に向かいます。駅から右手に徒歩10分ほど。「猫鼠麺」の看板を掲げたお店が見えてきます。

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画数多くて字面だけ見てもおどろおどろしい感じがしますが、もちろん猫や鼠の肉を使っているわけではなく、初代のご主人のニックネームからついたとか。注文したのは猫鼠三宝麺。鶏肉、エビ、椎茸のお団子がトッピングされた看板メニューです。ぱっと見台南の担仔麺にも似ていますが、スープはシジミの出汁がとても効いていて、今まで台湾では味わったことのない感覚。とてもさっぱりしていて、太目の麺によく絡み、トッピングとも相まって本当に美味しい麺でした。

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古都 鹿港へ

駅に戻り今日の宿泊地鹿港に向かいます。鹿港は鉄道が通っていないため、駅前のバスターミナルからは鹿港行きの路線バスが頻繁に発着しています。鹿港までの系統は複数あり、本数は少ないですがやや遠回りの系統もあるので注意が必要です。

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鹿港までは40分ほど。賑やかな鹿港のメインストリートを抜け托兒所バス停で下車。ここから歩いて5分ほどで今日のお宿「二鹿行館」です。

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鹿港は有名な観光地ではあるものの、宿泊施設が非常に少なく、こちらの二鹿行館は立派な建物ですがB&Bの民宿です。1階は食堂を兼ねた素敵なラウンジ。お部屋も広さ充分で、民宿ならではのオーナーの遊び心が所々に現れています。チェックインの時には奥さんが周辺の地図をもとに観光コースを英語で丁寧に説明していただけました。

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時間はもう18時前ですがまだまだ明るく、涼しくなったところで散策に出かけます。
宿から少し歩くと民俗文物館があります。今日はすでに閉館、明日は休館なので中は見ることができませんでしたが、とても立派な建物です。日本時代の豪商の邸宅で、中は多くの家具や美術品が展示されているそうです。

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さらに進むとメインストリート中山路に出ます。台湾各地の老街で見られる日本時代に建てられたバロック様式の建物が軒を連ねます。ただ鹿港の凄いところは、ここが老街ではないということ。他所では日本時代の建物が老街になっているところが多いですが、鹿港ではより古い清時代の建物の集まるところが老街なんですね。なのでここは新市街です…。

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中山路を横断してさらに西側へ進むと九曲巷。地図を持っていても一回は入口を通りすぎてしまうほど、まさに路地という細い道が続きます。スマホのGPSとにらめっこしながら道を探します。海に近いため強風を防いだり、防犯の役割も兼ねてこのような曲がりくねった細い道になったとか。観光地にはなっていますが沿道は今でも普通に生活が続いています。昼間であれば観光客も多いのでしょうが、この時間帯は自分たちだけ。薄暗くなり始めた街並みもあって、とても不思議な空間です。

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小腹がすいてきたので中山路の有名な肉まん屋さん「阿振肉包」へ。営業は19時までですが、もう品切れのメニューも多く、残り少なくなった定番の肉まんと、具の入っていない饅頭を買って食べ歩きます。

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少し南西方向に歩くと400年近い歴史を持つ古跡「龍山寺」。風格のあるお寺です。自分たちは中山路側から来てしまったので、裏口から入る形になってしまったのですが、反対西側の龍山街が正面。ここから入ると山門、正殿、後殿と続き、台湾の紫禁城と言われる四進三院の建築様式を実感することができます。

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ここから一気に街の北側へ縦断すると「老街」。ここも昼間は観光客向けの店が開いて賑やかなのだと思いますが、この時間はひっそり。台北の九份もそうですが、老街は明かりが灯り、人気のないひっそりとしたこの時間帯が大好きです。本当にタイムスリップしたような気分になります。

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中山路へ戻りさらに北へ行くと天后宮。周辺はちょっとした夜市のようになっており、龍山寺と比べ寺としての規模は小さいながらも、華やかで賑やかな雰囲気です。航海の安全を守る神、媽祖が祀られていて、夜も参拝者が絶ちません。中ではストラップなどの媽祖グッズやガチャポンもあったり、境内横にはファミリーマートがあったり、かなり商売上手な感はありますが…

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天后宮の前の食堂で晩ごはん。これもまた鹿港名物のカキを使ったオムレツ、海鮮焼きそばを食します。

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食後のデザートは麺茶。麺といえば小麦粉。これに砂糖やゴマを加えてきな粉のようになったものをお湯で溶いて飲むので若干粉っぽいのですが、この時期はかき氷のトッピングとしても美味しくいただけます。

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帰りは中山路沿いの老舗菓子店「玉珍齋」で買い物。パイナップルケーキや求肥のようなお菓子を購入。

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初めて訪れた鹿港ですが、やはり一泊してこそその価値があるような気がします。というか台湾はそういう場所が多いですね。鹿港を訪れる際はぜひ1泊を。

明日は平日朝の鹿港を周り帰国します。





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