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ノルウェー旅行 2日目 ~ピンチはまだまだ続く~

フランクフルトで途方に暮れる…

昨日からの続き

フランクフルト空港からオスロに向かう飛行機の欠航に見舞われてしまった私達は、とりあえず明日昼過ぎのフライトの予約は取れたものの、ホテルもない、荷物もない、オスロに着いてもどうしようもない…という三重苦状態で出発ロビーに立ち尽くしていたのでした。周りにも我々同様行き場を失った難民たちが、ある者はカウンターでスタッフに怒りをぶつけ、またある者は諦め顔で床に横たわり、中国人団体の添乗員は旗を掲げて彷徨うとまさにカオス。これぞヨーロッパだ、いい経験になっただろ? と天の声の幻聴さえ聞こえてきます。

幸いフランクフルト空港には簡単なユーザー登録で利用できる無料のWIFIは飛んでいました。あぁ機内で充電しておいてよかった…なにせUSBケーブルは手荷物に入れていたものの、プラグは預けてしまっていので。

とりあえずまずはホテルの確保に動きます。こんな状態だからさぞホテルも取れないだろうなぁとおもいきや、意外とまだ空いている。いや、この混乱でオーバーブッキングとかしてないよな? という一抹の不安も抱きつつ、きっと他の人達はまだ明日の振替に勤しんでいてホテルどころじゃないのでしょう。booking.comで手頃な料金のホテルを探します。カウンターのおばちゃんは料金は請求しろって言ってたけど、正直信用出来ない…しかも特典航空券だし。目の前のヒルトンとかシェラトンに泊まっても自腹になったらイヤだなと、ホテルから2kmという77ユーロのホテルを予約してしまいました。これがまた運の尽き。

外は小降りになったとはいえまだ雨が降っています。傘は預けた荷物の中。2kmとは言え深夜の空港周辺を歩くのは治安面からも気が引けます。が、タクシーが全然捕まらない。まず出発ロビー階でお客を降ろしたタクシーは同じ境遇の人達で奪い合いになっていて、何台か声はかけられたものの、近場のホテルを示すとみんな乗車拒否…到着ロビー階に移動してもタクシー自体がいない…おいおいドイツは先進国じゃないのかよ。たかが2km、すぐ戻ってくりゃいくらでも客はいるだろう!! とドイツ語で言えるはずもなく…

そうだ隣のターミナルに移動すればもう少し落ち着いているだろうと考えるも、ターミナル間のシャトルはメンテナンスで運休中。連絡バスもこの深夜ではいつ来るか分からず。

あぁこうなるならフランクフルト市内のホテルを予約しときゃよかったと後悔。こうなればなりふり構わない、そう、昔バブルの頃、日本人は六本木の交差点で一万円の札束をヒラヒラ見せびらかしながらタクシーを捕まえていたんだ!! と思い出し、渋る運転手に10ユーロ!! 20ユーロ!! と札をヒラヒラさせ交渉成立。

クルマならわずか数分の距離を20ユーロで移動。後で調べたらフランクフルトの中心部までが30ユーロくらいとのことなので、この20ユーロという料金はまぁ妥協範囲かと。


なんとかホテルにチェックイン。爆睡する妻を横目にスケジュールを立て直す…

ようやくホテルにチェックインできたのはすでに2時前。ホテルには次々と旅行者がやってきます。っていうかこの人達どうやってタクシー捕まえたんだ??

ロビーのソファーでぐったりしていた韓国人の家族に話しかけられるも、私は日本人。なぜ部屋に入れないのだろうか不明…

部屋に入って一安心。体調も悪くなっていたのですが、ここで眠る訳にはいかない…そうメチャクチャになってしまったスケジュールをどう立て直すのか考えなくてはいけません。

シャワーを浴びて着替えもない中、早速爆睡する妻を横目に、スマホの電池残量を気にしながら案を練ります。

当初の予定では明日朝の列車でオスロを発ち、ラウマ鉄道に乗継ぎ、オンダルスネスからバスでガイランゲルに入ることになっていました。そしてガイランゲルで連泊後、オーレスンからベルゲンへ飛行機で移動。ここでも連泊してコペンハーゲンという流れです。しかし改めて見るとなんて弾丸旅行…

まず、振替フライトのオスロ到着は15時。この時点でオスロからの列車は絶望です。であればラウマ鉄道は諦めても、なんとか明日中にガイランゲルに着ければそこから先は予定に合流できます。しかし、ガイランゲルがかなり秘境チックな場所にあるため、午前中の便に乗れていればまだしも、オスロが15時ではそれすら叶えることはできません。

この際選択肢は二つ。一つはもうガイランゲル自体を諦めてベルゲンだけに絞る。その代わりソグネ・フィヨルドにも行ってゆっくりすればいい。でも一番行きたかったは場所はガイランゲル・フィヨルド。しかも悪天候の多いこの地域にあって、明後日の天気予報は晴れマークが出ています。この希望を優先するならば明日中になるべくガイランゲルの近くまで辿り着き、翌日1泊だけはしたい。

この旅本来の目的を優先して、まずは後者でスケジュールを確認します。なにせガイランゲル周辺はバスも1日数本しか無い区間が多く、組み合わせが上手く行かなければどうにもなりません。まず考えたのは当初のラウマ鉄道ルートを丸一日遅れで追いかける方法。しかし列車は全て満席で、もしかしたら現地で購入できる可能性もあるかもしれませんが、乗れなかった時は全てが台無しになってしまいます。もう一つはオスロから飛行機でガイランゲル近くまで飛ぶ方法。近くと言ってもバスで3~4時間のところにオーレスンとモルデという二つの空港がありますが、オーレスンであればオスロ19時35分という最終のフライトがあり、これなら明日中に辿り着くことができます。

腹を決めました。すでに窓の外は明るくなり始めています。
寝ている妻を叩き起こし、プランを説明します。概ね同意はしてくれましたが、気になるのは荷物。この大混乱でロストバゲージになることが非常に怖いのです。フライト自体は間に合うが、本当にオスロで荷物をピックアップできるのかどうか? ここで受け取れなければ相当困難なことになってしまいます。なのでオーレスンに向かう案を第一候補としつつ、その結論はオスロ空港で荷物を受け取るまで保留することにしました。

荷物が無事出てくればすぐにオーレスン行きのフライトを予約し、出てこなければその日はオスロ泊。ガイランゲルは諦め、翌日ベルゲンに移動して3連泊ということになります。


大混乱のフランクフルトを離陸

なんとかスケジュールを決め、ようやく眠ることができたのは5時頃。熱があるのとストレスとであまり長く寝ることはできませんでした。

ホテルの食堂で簡単な朝食を食べます。テレビでは昨日のミュンヘンでの銃乱射事件をずっと報じています。周りの人たちもテレビに釘付けです。本来であれば午前中にフランクフルトの散策でもと言いたいところですが、こんな事件がありしかも犯人が逮捕されていないと言われると、いくら数百km離れたこの地でもあまり積極的に街中に出たいと思えません…結局フライトの時間までホテルで休むことにしました。

部屋にいても離着陸する飛行機の音が聞こえてきますが、ネットでフランクフルト空港の発着状況を確認するとまだかなり昨日の影響が残っているようで、朝から欠航、遅延便が頻発しています。果たして私達の乗るオスロ行きも無事飛び立つことができるかどうか…

ホテルから第2ターミナルまでは徒歩15分ほど。昨日は暗かったのと雨でよく分かりませんでしたが、昼間なら全然歩いていける距離と環境です。第2ターミナルからルフトハンザの第1ターミナルまではバスで移動します。


ターミナルについてびっくり。昨晩もかなり混乱していましたが、今日はもっと酷い…

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ルフトハンザのカウンターはもう大行列。ファーストクラスのカウンターさえ人並みに埋もれてしまい、もうメチャクチャ…ロビーには水や軽食を載せたケータリングのカートまで出て、無料で旅客に配布されていて、これを見た時にやはり今回のトラブルは大事なんだと実感。

ラウンジでホテル代の請求について聞いてみると、オスロの到着時にバゲージクレームのスタッフに請求しろと。ふーん、なんだかたらい回し感がしてきました。

オスロ行きのフライトは15分程度の遅れはあったものの、無事フランクフルトを離陸。まずはドイツを脱出できたことで一安心です。

相変わらずドライビーフがうまい。

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2時間弱でオスロに到着。あぁこの僅かな距離が飛べなくて旅行は台無しです…

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手を合わせながら荷物が出てくるのを待ちます。プライオリティタグが付いていますから、結果はすぐに分かるはずです。

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ベルトコンベアに見覚えのあるスーツケースが流れてきました。あぁよかった。凄いぞルフトハンザ。
ついでにフランクフルトのラウンジで指示されたバゲージクレームカウンターに行ってホテル代の請求を聞いてみます。まぁ想像はしていましたが、ここにルフトハンザのスタッフはおらず、代行のSASに聞いても私たちは知らんと。そりゃそうだよな。

結局ホテル代の請求に関するやりとりはこちら。帰国後にネットで行いました。

無事荷物を受け取り早速オーレスン行きのフライトを予約します。この時点で満席であればアウトでしたが、こちらも無事予約を完了。出発直前でも一人22,000円程でチケットが購入できたのは有り難かったです。

出発まで3時間ほどあったので、雰囲気だけでもとオスロ市街に出てみます。空港からは結構な距離がありますが、フライトーゲ(Flytoget)という高速列車で20分程の移動時間。料金は往復一人360NOK(約4,500円)…まぁ成田に比べれば安いですけどね。

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列車内はとても快適。北欧らしいデザインセンスはさすがです。

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あっという間にオスロ中央駅に到着。わずか1時間ほどですが、駅周辺とメインストリートのカール・ヨハン通りを散策します。2日目にしてようやくノルウェーの地を踏むことができました。

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まずは何はともあれ ご当地・観光マグネット コレクション オスロ編。たった1時間弱の滞在で買うのかといえば微妙なところ。でも困難を乗り越えここまで辿り着いたことと、首都に敬意を表しコレクションに追加。

テーブルは金縁丸フレーム。周辺国の政治に翻弄されたノルウェー。今や世界の平和に全霊を捧げた者を称える場所に相応しい、気品のある一品。大帆がはためくバイキング船の後ろには大聖堂か市庁舎か。とにかく一時間しかいなかったのでよく分かりません。

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オスロ大聖堂。

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オスロ中央駅。
オスロ駅はショッピングセンターも併設されていて、土曜日の夕方でしたが店舗もちゃんと開いていて結構な賑わいです。

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以上。

空港に戻ります。オスロ空港はノルウェーの玄関口らしく、木材をふんだんに使った暖かいデザインのターミナルでした。

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出発までの間にフィッシュ・アンド・チップスを食べます。これにオレンジジュースで206NOK(2,600円)と、早速世界一の物価高ノルウェーの洗礼を受けます。ちなみにこの旅初めて食事にお金を使ったような。

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オーレスンまでのフライトはスカンジナビア航空SK1330便。機体は世界でも珍しいボーイング737-600。737シリーズの最短胴機です。

僅か50分程のフライト。GPSで位置を確認していたら、ちょうどガイランゲルの真上を通過。本当ならあの下にいたはずなのになぁ…。

オーレスンに向けて高度を下げると、飛行機からの眺めは絶景。フィヨルドの入り組んだ地形、所々雪の残る険しい山々、鏡のような水面。これだけでも飛行機に乗る価値があります。本当に絶景でした。

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オーレスンに到着。搭乗橋もない静かなローカル空港です。ようやくここまで辿り着きました。

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時刻はすでに21時前。バスに乗り市街までは20分ほど。

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急遽予約したクオリティホテル・ウォーターフロントにチェックイン。ようやく安堵。

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ここまで来て少しテンションも上がり始め、体調も回復してきました。
オーレスンはもともと4日目にガイランゲルからベルゲンへ向かう際に立ち寄る予定でしたが、今日中にガイランゲルまで向かうことはできないのでここで1泊します。

時間は22時前ですが、外はまだ夕方の雰囲気。少し街を散策します。

これがオーレスン随一のスポット、ブロスンデ運河。1904年に大火で街が焼失後、アール・ヌーヴォー様式で再建された街並みが美しい。

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この美しいオーレスンの街並みをさらに美しく見せてくれるのがアクスラ山の展望台。

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418段の階段を登った先に絶景が拡がります。

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もうすぐ日が落ちちゃう、と急ぎ足で登ったのですが、杞憂に終わってしまいました。むしろ山頂で待てども待てども日が沈まない。ずーっと夕日。この感覚は日本では味わえません。

ホテルに帰るともう23時。オーレスンは今回の旅の最北地になりますが、それでも北緯62度。北極圏となる北緯66度まではまだちょっとありますし、太陽も5時間ほどは隠れますが、ここでも白夜は充分感じます。晩ごはんを食べていてもランチみたい。寝ようと思っても外は明るい、夜でも明るいって結構辛いことなんだなぁと実感します。


明日はいよいよガイランゲルに向かいます。


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